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浜松文明堂

全国に6社ある文明堂グループの1社として、浜松市を中心に、カステラなどのスイーツを販売されている浜松文明堂さん。こだわりの素材と、代々受け継がれてきた技術で、定番の味わいから静岡県ならではのオリジナルスイーツの開発まで展開され、今もなお進化し続ける老舗です。

ロングセラー商品のパッケージデザインを刷新

浜松文明堂さんの定番商品である、ひと口サイズのカステラ「小鈴」のパッケージの相談を受けたのは2020年の秋頃。小鈴はどの世代にも好まれるロングセラー商品ですが、今回パッケージやネーミングも含めデザインを刷新し、お土産用にパッと目を引く商品にできたらとのことでした。

ヒアリングを進めるうちに今回は「かわいさ、遊び、お土産、ジャケ買い」をキーワードに、デザインを刷新したいと考えました。そしてデザインを統一させるため、ネーミングやパッケージ、しおり、写真などの見せ方などのデザインは、すべてに当社におまかせいただくことに。

長年愛されてきた商品をリブランディングするのは簡単ではありませんが、その価値をさらに高めて、その商品の魅力を再発見してもらうことにもつながります。今回は長年支持されてきたその価値を活かしながら、キヨスクなど交通系のお土産需要に応じるパッケージづくりを目標としました。

「小鈴」から「ちゃころん」にリブランディング

「静岡茶入りのバターカステラ」として打ち出すため、ネーミングには、お茶味の「ころん」としたフォルムを表現し、響きのよい「ちゃころん」と名付けました。

パッケージには抽象的な絵柄を用いることでイメージをアップデート。すっきりとした雰囲気と、パッと見でお茶とわかる色使いは、世代・男女問わず手に取りやすいデザインです。

商品の「顔」をととのえ、旅行客の目に留まるデザイン

また駅を利用するお客さまは、その多くが旅行か出張のためお土産を購入します。浜松という土地柄、ビジネスパーソンの利用客が多いということもあり、ビジネスバッグに入るサイズを意識し、職場や家族へのお土産として購入しやすいデザインを目指しました。

コロナ禍でリニューアル発売まで時間がかかりましたが、無事リリースすると、キヨスクなどの土産店で品切れ状態に。「ちゃころん」という親しみやすいネーミングとパッケージデザインが、旅行客に受け入れられて人気が出てきました。

事業承継のタイミングで、全体的なブランディングに取り掛かる

その後、先代の社長から新社長に事業継承されたのをきっかけに、あらためて浜松文明堂さんのブランディングを含めたデザインの依頼をうけることになりました。

まず着手したのが、ブランドイメージの刷新を図るために、ブランドカラーを決めることです。毎月実施しているブランド戦略会議で、ブランドカラーを誰からも親しみやすい黄色にすることに決めました。それに伴い、各商品のパッケージを次々とリニューアル。今まで各商品のデザインがバラバラで、一貫性がなかったので、デザインの整理整頓をしていきました。

パッケージデザインの方向性は、それぞれのフレーバーや形状、ビジュアルイメージなどを検討しながらも、色々なテイストが混ざっているより、シンプルなデザインに整えていくことを優先しました。

新たな定番商品を提案

さらに5切れ入りのハーフサイズのカステラに注目して、現代の手土産に合いそうなこの商品をシリーズ化することを提案。

ハーフサイズのカステラは少人数のご家庭でも食べやすく、お土産にも持ち運びやすいサイズです。この商品を季節によってフレーバーを変えたり、他社とコラボ展開するなどして、ブランドの核となるアイテムになるのではないかと予測。実際にシリーズ化していくと、ハーフサイズの反響が多く寄せられ、売上を伸ばしています。

「おいしい」が伝わる空間に

2023年には浜松市中区葵東に新店をオープンされ、コンセプトから建築・内装の基本デザインの監修をお手伝いさせていただきました。建築に関しては、当社のクライアントの入政建築さんの協力のもと、カステラを連想させる、四角い建物が完成しました。店舗のオープン日には長蛇の列ができるほど注目され、売上もアップしています。

Instagramを活用して情報発信を強化する

現在はInstagramなどのSNS運用も当社でサポートしており、統一感のあるフィード投稿など、浜松文明堂さんらしさが伝わる情報をユーザーにしっかりとお届けしています。

伝統の味を受け継ぎつつ、新しいチャレンジを積極的に行う浜松文明堂さん。これからもその挑戦は続きます。

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