SDGsやサステナブルなど、環境への意識が高まる昨今。今のように環境に意識することが「普通」になる前から、環境に配慮した豆選びをされている、浜松市中区佐鳴台の「まるたけ堂珈琲」さん。
店舗オープンから数年が経ち、地元の浜松はもとより、全国からその「美味しさ」と「こだわり」に魅了されたお客さまから注文が絶えない人気店に成長しています。
すべては美味しいコーヒーのために
「飲食だけではなく空間を、心の満足感やくつろぎを感じられる場所にブランディングしたい」と、まるたけ堂珈琲・代表の竹村さんから、店舗の設計段階の時点で当社にご相談いただきました。
まず必要になってくるのが、企業や店舗、商品の「顔」となるロゴマーク。「まるたけ」の由来である竹の幹と葉をモチーフに、イニシャルである「M」を表現しました。
隣接するヨガ教室「くつろぎ庵」のロゴと並んでも違和感がなく、太めの枠線で重厚感がありながら、枠内の絵柄を繊細にすることで、落ち着きのある印象に。
このロゴマーク制作を起点に、販促ツールや看板などのデザインを展開しました。
建物や地域に馴染みながら「存在感」をただよわす
まるたけ堂珈琲さんがある浜松市中区佐鳴台は、立地的にも、落ち着いた雰囲気の閑静な住宅街。看板は、通りがかりの近所の方や、ご来店されたお客さまにとって、見てすぐにわかりやすい機能を備えたものである必要がありました。
また、敷地や建物の大きさに対して適切な看板のサイズ感や設置する位置など、細かく考慮することも重要です。
看板は、視認性を保ちながらも主張しすぎず、建物に馴染むようデザインし、お店のコンセプトである「居心地の良い空間」を演出しました。
地元・浜松の工務店「サン工房」さんが手がけられた、まるたけ堂さんの建物。天竜スギや天竜ヒノキが使われ、お店の扉を開けると、ふわっと木のやさしい香りに包まれます。木材のやさしい風合いや質感が来た人を和ませ、ついつい長居してしまう空間に。また、2019年の浜松広告景観賞・優秀賞も受賞されています。
「想い」を伝えるホームページにリニューアル
オープン当初のホームページは当社が手がけ、必要最低限の情報を掲載するシンプルな構成で、お店の現状に合わせてアップデートしていけばいいという考えのもと制作しました。
もともと会社勤めをされていて、異業種から新たな分野に挑戦された竹村さん。オープンしてからはコーヒー焙煎やカフェ運営など、試行錯誤の繰り返しでしたが、独自の焙煎方法で丹念に仕上げたコーヒー豆のファンが増え、何度も足を運んでくれるお客さまが増えていきました。
焙煎やカフェ運営が少しずつ軌道に乗り始めた頃「お店の考え方や豆選びについてもっと知ってほしい、伝えたい」という気持ちが強くなり、ホームページをリニューアルすることに。
「一般的には、現地から届いた生豆はそのまま焙煎されますが、当店では豆を丁寧に洗ってから焙煎するという独自のスタイルをとっています。現地で付いた塵や汚れなどは、雑味の元になってしまいますし、コーヒー豆もお米や野菜と同じ農作物なので、洗ってから口に入れたいという想いがあります。」
そんな竹村さんの熱い想いを伝えるため、改めて当社スタッフがインタビューをし、カメラマン撮影をしました。
撮影や動画ディレクションをはじめ、動画編集など、当社スタッフにすべてお任せいただき、まるたけ堂珈琲さんの想いや世界観をわかりやすく伝えています。
伝え方を変えるだけで客層が変化
ホームページのリニューアル後も「珈琲のこだわりを全国に広めたい」という竹村さんの想いがあり、Instagramとオンラインストアを強化した方がいいのかどうか、当社にご相談があり、SNSアドバイザーとしてサポートすることに。
それまでのInstagramでの伝え方は、お店の情報がメインだったところを、珈琲豆の種類や焙煎のこだわりについての投稿を増やすようにし、珈琲へのこだわりを伝えていくことにブランディングのかじを切りました。
それがきっかけとなり、Instagramアカウントのフォロワーに変化が見られるようになってきました。今までは「近所のカフェ」として地元の方々がフォロワーになっていたのですが、伝え方を変えるだけで、全国の無農薬やこだわりの珈琲を求める方々がフォロワーに。
オンラインストアの見せ方についてもデザインをリニューアル。アイテムごとの視認性がよくなるように、写真と商品名が際立つアイコンをデザイン制作しました。
ホームページやオンラインストアのデザインを整えることで、全国のInstagramのフォロワーや、興味を持ってくれた方々がコーヒー豆を購入しやすくなり、リピーターも増加。
WEBだけではなく紙媒体も重要なブランディング
まるたけ堂珈琲さん、くつろぎ庵さんのどちらかに来店してもらったお客さまが、もう1店舗のことも知ってもらえるよう、ショップカードでは2店舗を同じ紙面に掲載するタイプをご提案しました。
レジ横に置いても邪魔にならないよう、名刺サイズで制作。小さい範囲内に掲載する情報は、多すぎると分かりにくくなり、逆に少なすぎると伝えたいことがお客さまに伝わらない可能性がでてきます。
適度に余白を残すことですっきりとしたデザインにし、伝えたい情報を短く、わかりやすく表現し制作しました。
お店のレジの横や入口に置かれるショップカードは、お客さまが「このお店に来てよかったな、友人や家族にも教えたいな」と思った時に手に取る大切な販促ツール。WEBでの情報発信が当たり前になった昨今、紙媒体での販促は減っていますが、紙の方がリピーターの再来店につながりやすくなるなど、ブランディングにおいては重要なツールになります。
世界観を統一し「らしさ」が伝わる情報を発信
ホームページでしっかりと世界観を伝え、ホームページで伝えきれないことをブログで補完し、リピーターの方にはコーヒー豆の情報や焙煎についてなどをInstagramで情報を発信。そして実際にご来店いただいた方に紙媒体をお渡しすることで、手ざわりなどの「触感」もプラスされ、この触感はブランディングにとっても効果的な場合もあります。
それぞれの媒体の特性を活かし、使い分けながら情報を伝えることで、どの媒体から入っても、企業やお店の世界観が伝わります。もちろん情報を伝えるときは、世界観を統一させることは必須です。
地元浜松から全国にもファンが増え続けるまるたけ堂珈琲さん。今後のご活躍も楽しみです。